2018年5月6日日曜日

(193) IPACK blockって何???

超音波ガイド下末梢神経ブロックの進歩とともに、
当院でもTKAの術後鎮痛法はどんどん変わってきた。

抗凝固薬早期使用の観点?から、
それまで術後鎮痛の中心的役割を担っていた硬膜外麻酔から、
持続大腿神経ブロックに変わった。

ただ、膝前面の鎮痛は良かったが、
膝後面の痛みを訴える症例が多くみられたため、
坐骨神経ブロックを追加するようにした。

持続大腿神経ブロック+単回坐骨神経ブロックとなった結果、
とても良好な術後鎮痛を提供できるようになった。

しかし、
疼痛がコントロールできるようになると、
今度は筋力低下による離床の遅れが目立つようになり、
持続ブロックが敬遠される雰囲気が病棟に漂い始た。

世間を見てみると、
筋力低下対策として、
大腿四頭筋全部に影響を与える大腿神経ブロックから、
より末梢でのブロックである内転筋管ブロックに移行し始めている。

残る坐骨神経ブロックはどうする?
と思っていたら、
WEB某所でIPACK blockなるものが話題になっていた。

IPACKって何????

ということでググってみる。

IPACKとは、

US-guided local anesthetic infiltration between the popliteal artery and the capsule of the knee
のことらしい。

originalはSanjay Sinha, MD.らしいが、
残念ながらunpublishedとのこと。

IPACKのoriginal文献としては、

Novel Regional Techniques for Total Knee Arthroplasty Promote Reduced Hospital Length of Stay: An Analysis of 106 Patients

であるが、
簡単に理解するためにはやはりYouTube先生に教えてもらうのが良い。

IPACKの動画

これを見ればおそらく一発で理解できる。

素朴な疑問としては、
術野から浸潤麻酔するのと同じ?
違うレベルのことができるのだろうか?

とはいえ、
やらないよりはやったほうがいいのは間違いない。

Comparison of adductor canal block and IPACK block (interspace between the popliteal artery and the capsule of the posterior knee) with adductor canal block alone after total knee arthroplasty: a prospective control trial on pain and knee function in immediate postoperative period.

それにしてもエキスパートたちは情報感度が高いですね。
その恩恵にあずからせていただきいつも感謝しております。

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